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ターゲットを変えたら売れ筋商品に!ラムネのシンプルな売り方とは?
子どもの頃から駄菓子のひとつとして親しまれている、森永のラムネ。今ではパウチに入ったラムネがコンビニやスーパーで売られているのを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか?
なぜ、ラムネは急に売れ出したのか。売上アップのヒントになる、シンプルな売り方について知っておきましょう。
子ども「以外」が注目したラムネブームをおさらい
もともと森永製菓のラムネは売上が大きく変化することはなかったため、常に安定した量を供給してきたロングセラー商品でもありました。
ところがリニューアルや販売促進もしていないのにかかわらず、一気に売上がアップし、ブームになるほどに!
ラムネにはブドウ糖90%が配合されていましたが、これが集中力を高めるのに良い成分であること、二日酔い予防に効果があると口コミで話題になり、売上アップにつながりました。
医師などの専門家が勧めたことでさらに口コミは広がるようになり、ラムネが子ども以外の世代に注目されるようになったのです。
ラムネの売上アップを狙ったら失敗した!
森永はラムネブームを察知し、すぐにターゲットを定めた商品開発をおこないます。
大人の女性向けに新しい味を発売したり、お酒好きな方のために二日酔いに効くウコンを配合したり。ところがこれらの商品は売れず、すぐに販売停止に追い込まれてしまいました。
ターゲットを認知しながらも、新しい商品は失敗。残念な結果になりながらも、従来のラムネは売れ続けたまま。
そこでパッケージデザインを変え、容器は持ち歩きやすいパウチ容器を採用。長く味を楽しめるよう、粒を大きくしたところ売上が急増したのです。
ラムネターゲットは社会人から学生へ
二日酔い予防や仕事の集中力を高めたい社会人に愛用され始めたラムネですが、現在はターゲットを学生に広げているようです。
受験生にとっても脳の栄養となるブドウ糖90%は、やはり魅力的なもの。森永も受験生を応援する企画をおこなったり有名進学塾とコラボをしたり。東大生協では売上が急成長するなど、学生にとっても欠かせないお菓子になりつつあります。
粒を大きくしてパッケージを変えたうえに、「受験のお守り」と一言あれば、つい手にとってしまいますよね。
ラムネそのものの味を変えず、ターゲットを子どもから学生や社会人に絞ってシンプルな手法で攻めたことで、大きな売上アップにつながったユニークな一例といえるでしょう。