COLUMN コラム
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ロングセラーなのに進化中のアイス!「サクレ」はなぜ愛され続けているの?
「サクレレモン」を中心に、昔からあるフタバ食品の「サクレ」シリーズ。夏には一時販売休止になるほど人気のアイスは、40年ほど売れ続けているロングセラー商品でもあります。
なぜ人気が衰えないのか?この機会に、愛され続けるワケを知っておきましょう。
気温上昇とかき氷ブームがサクレを後押し!
「サクレレモン」の特徴は、1978年の発売以来「さっぱりとした味わい」と「手頃な価格」を維持してきました。
現代では物価上昇と共にサクレ価格も上昇していますが、それでもお手頃な価格。
近年は真夏の気温が上昇しつつあるうえに、フワフワした食感とフルーツを使った高級かき氷がブームになっています。
いっぽう、安価でサッパリとしたサクサク食感のかき氷は差別化に成功し、サクレレモンを買い求める人は増えるように。気温上昇と「サクレレモン」の清涼感がマッチし、夏場の売上増加に注目していると考えられています。
「本物のレモン」を使用した独自性が武器
サクサク食感の安価なかき氷商品は他にもありますが、本物のレモンがのったアイスというのはなかなかないもの。かき氷の上にスライスレモンが丸一枚ごとに挑戦したことで、他にはない独自性が話題となりました。
アイスの中に果肉や果汁を混ぜ込むのではなく、本物のフルーツを添えています。
この構想は発売当初からのこだわりであり、「氷にレモンの酸味がじわじわと染み出して、味の変化が楽しめる」というコンセプトが見事にヒットしました。
暑い夏にピッタリの爽快感が楽しめるよう、口当たりや甘さも絶妙に計算されています。
レモンがヒットしたことで、メロンやパイン、あずきなどの新味も登場し、時代と共に少しだけ変化をとげているのも人気の理由なのかもしれません。
シンプルに見えて、見えないところでさまざまな工夫が凝らされています。
ロングセラーに甘えず「SNS映え」も狙う
サクレレモンは、ユニークな見た目がSNS映えすることでも話題になりました。
黄色いレモンスライスと白いかき氷のコントラストは夏らしい写真に仕上がりますし、2020年頃からは「サクレレモンに炭酸飲料を注ぐとレモンスカッシュ風になる」「焼酎を入れてレモンサワーにする」といったアレンジも拡散され、新たな楽しみ方として定着しました。
20〜30代の新規ユーザーを取り込むことに成功し、さらなる売上アップにつながったのです。
サクレレモンは独自性を求め、こだわり抜いて開発された商品の魅力を時代にあわせてうまく伝えています。
商品そのものを変えず、新商品を発売しなくても売上アップにつながる要因が分かる良い例かもしれません。